人類史は馬と共にあったと言っても過言ではない程、人と馬の歴史は深く密着しています。
人と馬の関わりの歴史は大変長く、人類史が始まった5千年前頃には農耕や食用として馬の家畜化が開始したという記録があります。
その後、発展と共に輸送や軍事、娯楽など、様々な目的で馬が使われるようになりました。
紀元前500年には黒海周辺の遊牧民族が乗馬のための道具を発明し、そこから馬を活用した産業が一気に栄えていくことになります。
日本におきましても弥生時代の末期には、日常生活に馬を使っていたという記述が残っており、その歴史の古さを伺うことができます。
時の経過と共に、世界各地で馬術や乗馬が発展していきます。
それまで娯楽やスポーツとしましては馬車を使った競技が主流でしたが、17世紀頃にイギリスでサラブレッドが出現したことで、現代の競馬のスタイルが形成されました。
その後、科学の発展と共に、世界の多くの地域では馬を農業などに使う機会は減り、乗馬やスポーツを行うパートナーとして新たな役割を担っています。
現代におきましても馬は人と深く関わりあいのある動物ですが、科学の発展と共にその関係性は少しずつ変化しているようです。
車や電車などの交通機関や便利な機械がなかった時代、馬は経済動物として農業や移動手段のひとつとして大活躍していました。
現代におきましては、馬には新たな活躍の場があり私達と関わっています。例えば乗馬や馬術、トレッキングなどのスポーツのパートナーとして活躍しています。
他に障害者の機能回復などに役立つ「ホース・セラピー」があります。これは動物と触れ合うことで得られる癒し効果により、精神的な疾患の改善や治療を行うために取り入れられている方法のひとつです。
このホース・セラピーには実際に乗馬することも含まれており、人の筋肉をほどよく刺激することができるため、ダメージを負っている器官や筋肉の回復効果も期待されています。
このように人との関わりが深く、歴史の長い馬だからこそ得られるリラックス効果や機能回復効果が高く、有効な治療法として確立されつつあります。
馬はにおいに敏感で、においの強い植物や木の皮を食べません。
この性質に注目し、アヤメやシラカバなど景観保全のために馬を森林保護者として起用する研究を行っている学者もいます。科学が発展した現代おきまして、馬は新たな分野で人と関わることを期待されています。